鳩舎

レースしない

僕がタスクを整理するときに使う、3つのポイント

働いてますか。労働はご褒美です。どうも、ロージーです。

案外放っておくとタスクがどんどん溜まったりするし、何よりプロジェクトの走り始めの時期とか、洗いだしたらすごい大量のタスクが山積みになって「うげげ」って気分になりますよね。

基本的にはエンジニア向けの話なのですが、まぁタスクを Trac で管理したり Redmine で管理したりすると、基本的にマイルストーンとプライオリティぐらいしか「なにからやるべきか」という指標にならなくて、どうしたものか悩んでしまいます。

その日の朝に棚卸して選定すべきなんですが、まぁそういうときに使う、こんな評価軸もあるんだよ、ということで、僕自身の備忘録です。

1. 4つの『空気感』

まず、タスクを積んだ時点、いわば「これやらなきゃな」とした時点での、そのタスクに対する自分の空気感をラベル分けします。

  • カンタン
  • フツウ
  • ムズカシイ
  • ダルイ

上の4つです。カンタン〜ムズカシイまではすんなり納得してもらえると思います。つまるところ「ちょっと時間掛かりそうだなぁ……」とかの大雑把な見積もりです。

ではなんで『ダルイ』なんていうちょっと冗談みたいなラベルがあるのかというと、話は簡単で、『作業として殊更難しい訳ではないのだが、とにかくめんどくさいからあんまりやりたくない』といった仕事があるからです。

ムズカシイの仕事に時間がかかるというのはわかっていただけると思うのですが、それと同じかより多くの時間がダルイのタスクにはかかります。なぜかって着手しないから。よしんばやり始めてもだらだらといつまでもやらないとかそういう状況になります。

だいたいこういうダルイ仕事は「あーなんか今日はとにかく仕事をする気分だぞ」とかのすごくポジティブな日か、「あー今日はもうだめだ、ちまちまできることをやろう……」みたいなナーバスなとき、例えばムズカシイタスクで設計などで詰まった時に行います。

『やりたくない』というのを先に認めてしまうことで、それ以外の例えば難しい仕事への着手もすんなり行えます(あれやるよりはマシか、みたいな)。

2. 3つの『締め切り』

仕事には締め切りがつきものです。いつまでもだらだらやっていたいのですが、世の中そうも行きません。なのでタスクにも大体大雑把な締め切りを設けるものですが、この締め切りが『どういう締め切りか』というのも先に決めておいたり、あとで付け足したりします。

  • 『この日までに終わっている』
  • 『この日までに終わらせたい』
  • 『この日までに終わらせるべき』

上記の3つについて詳しく解説します。

まず1つ目の『この日までに終わっている』ですが、これは単純な話で、「まぁこの日までには片付いてるだろう」という見込みの話です。それまでに終わっていれば OK。少し過ぎても問題ないというような、割と甘めの見積りです。

こういう仕事はやるときも心が楽です。切羽詰まってないし、ストレスなく仕事を進めることが出来ます。できる限り多くのタスクの締め切りはこの状態であるべきです。

次の『この日までに終わらせたい』ですが、これは前述よりちょっと強い締め切りです。何らかの(個人的な要因)で、この日までにこれを片付けておかないと、自分が困りそうだな、という状態です。他人と結合するから終わらせる、というのはこの状態に当たりません。あくまで自分の都合の時のみこの状態にします。

ポイントは『これを過ぎても自分が困るだけで済む』と認識しておくことです。そして実際にその状態であることです。皆さんがどうかは知りませんが僕は他人に迷惑をかけうる可能性が発生する時点でだいぶ心苦しくなり、仕事するより「やばいよー」と頭の中で愚痴っている時間の方が長くなります。これでは本末転倒なので、さっさと着手出来る状態にしておくべきです。

ここまでいえばお分かりだと思いますが、『この日までに終わらせるべき』というのは自分以外の事柄が要因となって設定されている締め切りのことを指します。

この締め切りがついたものはできる限り早く仕上げるのが肝要です。それがいかに『ダルイ』仕事だとしてもです。だって他のタスクの締め切りはすべて『自分の要因』です。必要になれば自分一人で予定を調整することが出来ます。しかしこの締め切りのタスクは『すぐに整理することが出来ない』ことが確定しているタスクです。ならば早めに着手するか、予定を見返して整理する必要があります。

『他人と繋がらない仕事なんてない』とおっしゃるかもしれませんが、ライブラリ A を作る締め切りが他人要因の締め切りでも、ライブラリ A を作るための設計タスク B を早く仕上げたい要因は他人に怒られたくない自分です。なんでもかんでも他人要因の締め切りになってしまう人は、もっとタスクを細かく砕くところから初めて見るべきではないでしょうか。

3. 意欲的かどうか

1番目の話に通ずるものがあるのですが、自分がそのタスクに対して意欲的かどうか、というのを記録しておきます。

例えば『これは Scala の仕事だから俺はいい気分で仕事できるぞ』とか『これは PHP だから俺は少しやりたくないな……』とか、そんなすごーく個人的なモチベーションのことを記録しておきます。

個人的モチベーションを仕事に挟むのは割とちゃんとした社会人の人に怒られそうなんですが、僕は『そういうの』こそきちんと自分に正直に明らかにしておくべきだと思っています。

無自覚的に作業の効率が落ちたり、作業の濃度が薄まったりするのはよくないことです。『なぜそういう状態に陥っているのか』について、自覚的であることは大事だと思います。

という3つをまとめて

だいたいこんな風に進めます。

  1. タスクの中で締め切りが近いものをピックアップ
  2. 『カンタン』『ムズカシイ』(A グループ)と『フツウ』『ダルイ』(B グループ)で2グループに分ける
  3. 『意欲的でなくて B グループに入っていて締め切りが近い』ものからやる
  4. 『ムズカシイ』ものは『カンタン』とペアに、『ダルイ』ものは『フツウ』とペアにして、ペアタスクをちょっと息抜きにやる
  5. なるべく『嫌だな』という気分に自覚的でいる

ペアタスクを息抜きにやる理由のは、ムズカシイの時は自分の全能感を回復させるため、ダルイの時は仕事がサクサク進む快感を回復させるためです。

『やりたくない』という気分を自覚して、『でもやる』と意気込んで着手し、実際に仕事が進んでいる細かい快感を得られるようにするのが、僕のラベリングの根管です。やりたくないものはやりたくないけど、やったら案外悪くない、というのにもちゃんと自覚的でいるのが大事です。

もちろん面白そうでやりたい仕事も転がってくるのですが、そういうのはなるべく後に取っておいた方がいいです。仕事なんていくら凝っても凝ってもきりがないので、先にやるべきことをちゃんとしてから、楽しいことをしましょう。

それでは、良い仕事を!